ヤマスグリ(山酸塊)

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患者としての医師から:covid-19の持続性症状に立ち向かうためのマニフェスト

BMJに公表された、covid-19の患者になった医師38人による共同声明の急ぎ翻訳

 

原文:

From doctors as patients: a manifesto for tackling persisting symptoms of covid-19 | The BMJ

 

 

患者としての医師から:covid-19の持続性症状に立ち向かうためのマニフェスト

 

我々は、covid-19の疑い例または確定例の持続性症状に苦しむ医師の一団としてこれを書く。この疾患の個人的経験から得た我々の理解と、医師としての我々の見解の両方の共有を目的とする。

 

この問題(註:コロナ禍)に立ち向かうためには、政治家、医療従事者、公衆衛生学者、科学者、そして社会の間での協力が必要だろう。そこで、covid-19の持続性症状に苦しむすべての人にとって最良の結果を達成するために用いるべき原則を、以下に挙げる。

 

●研究と調査ーーcovid-19の持続性症状に対しては科学的方法論を用いて対処すべきであり、バイアスがあってはいけない。症状が起きている人の数を計測する必要がある

 

このウイルスの影響については、疫学、病態生理、管理に注意を徹底的に払いながら、他のすべての疾患の場合と同じように研究すべきである。「我々は、covid-19についてまだほとんど知らないが、相手を測らずして闘うのは不可能だというのは、よく分かっている。」この疾患の全体像を完全に掴み、covid-19の表現型の姿を正確に構築するには、入院していない者や検査を受けていない者も含めた研究と調査が必要である。「covid-19から回復」の明確な定義が必要である。今後のエビデンスの到来を待ちながらも、医師たちは「他に利用できるものがない不完全なデータの限界をよく弁えながら、不確実性と透明性について誠実」であらねばならない。その意味するところは、長期症状が決して少なくない人々に対して相当に大きな影響を及ぼすという、現在浮かび上がつつある現実の姿を受け容れ、測定すべき転帰は死亡だけではないと理解することであると、我々は主張する。今後はcovid-19の慢性症状に関する研究が必須であると、我々は主張する。これら持続性症状を惹き起こす根本の生物学的メカニズムが解明できないと、リスク因子を特定する機会も、現在および今後の感染者の慢性化を防ぎ、治療法を発見する機会も失う危険がある。

 

●医療の提供ーー個々人が呈する症状に合わせて時期を逃さずに提供する必要があり、個々人の病態の精査と加療、さらに機能回復は欠かせない。

 

通常の状況なら患者の多くが、重態の時期の極めて対応が難しい症状を自宅で管理するのではなく、入院したであろう。入院患者と非入院患者とで病態に差があると決めつけてはいけない。なんらかのアクティブリハビリを始めるには、その前に、適切な検査により器質病変を精査して管理しておく必要がある。それでようやく個々人に合わせたリハビリ処方を作ることが可能になる。このことは、リハビリ医学専門医のLynne Turner-Stokes教授が、最近の王立医学協会ウェブセミナーで警告している。「患者に運動させるに先立ち、それが安全に行なえるかどうかの確認が重要だ。心臓および呼吸器の機能を正しく評価する必要がある。また、ゆっくりと、行きつ戻りつしながら事を進める必要がある。」covid-19罹患患者100人(67人は未入院)の心臓MRI撮像を行なった最近のJAMA掲載研究によれば、「78人(78%)に心臓病変があり、60人(60%)が心筋炎を起こしている」ことが判った。この論文の著者は、「ほとんど在宅で回復に努めた患者にも炎症性心臓病変が高頻度に見られ、その重症度と範囲については入院患者群と差がなかった」と述べている。

 

ワンストップ医療を確立することで、covid-19の後遺症を特定して管理する医師陣の間にパターン認識力が開発され経験が積み上がっていくだろう。こうした診療所は、covid-19の多系統(疾患)性に対応するものでなければならず、既知のcovid-19合併症の有無を確認するのに、臨床総説で適応とされた適切な検査が使える集学的チームが不可欠である。

 

汎用(one size fits all)のオンライン・リハビリテーション・サービスに頼るのは、患者の病態が未発見のままだと患者を深刻に傷害する危険があり、医師にとっては、現在、我々の臨床現場で姿を現しつつあるこのウイルスの後遺症に関して、経験を積む機会を失することになる。

 

 

covid-19への対応に負荷漸増法による運動療法を取り入れることを警告しているNIHやCare Excellenceの声明のように、現行のガイドラインが公表された場合には、最前線の医師と速やかに意思疎通を図らねばならない。

 

 

●患者の関与ーー医療提供の運用や研究デザインの策定には患者も加わっていなければならない

 

「わたし抜きで決めるな」ーー別の疾患から得られたこの教訓は、もっとも疾患に冒されている者の関与が重要であることを示している。covid-19の持続性症状を有している患者は、解決の道の探求において大いに貢献する。研究デザインと医療提供の運用の中に患者を関与させることは、確実に患者の見方を傾聴することになり、これらの研究と医療提供の開発を至適化するだろう。これは患者グループの代表という形式でもいいかもしれない。そこには政策立案者、研究者、医療界重鎮との連絡を行なう本レター(この文章のこと)の署名者が入っていてもよい。

 

●医療の利用ーー運用される医療提供は、検査結果陰性の者に不公平な待遇差があってはならず、臨床的診断だけでも、すべての適切な医療提供が利用できるようにすべきだ

 

パンデミック初期には、十分な検査を広範囲に行き渡っていなかった。活動性covid-19感染の検査(例えば、RT-PCR検査)のタイミングは検査性能に影響するし、検査はもっとも理想的な時期に実施した場合でも、偽陰性のリスクが相当につきまとう。抗原検査は、その有用性の検証が主に入院患者で行われており、疾患初期での感度は低いことが判っている。疾患経過のもっと後での検査に関するデータも少数あるが、偽陰性が多いようである。人によっては、先立つ検査で陽性であっても血清陽転しない者もいる。したがって、医療サービスの利用の可否や、従業員へのcovid-19罹病特別給付金の可否の判断基準として検査結果陽性に拘泥するのは、covid-19の臨床診断の文脈において容認できない。

 

我々は、covid-19の持続性症状の問題がどんどん注目されて欲しいと思っている。以上の原則は、この問題に取り組もうとする政治家、科学者、医師にとって自分たちの経験を深め、専門家としての努力を知らしめ、研究と医療の改善を導き、罹患者と社会全体への益となる指針として、機能できる。

(了)

手づくりbot 底本一覧

twitterでの「手づくりbot」に用いた参考資料のリスト。随時更新。

 

九月、東京の路上で

 1923年関東大震災

 ジェノサイドの残響

  加藤直樹

  ころから

  2014. 第2刷

 

keyword: 関東大震災, 朝鮮人虐殺

 

この歴史永遠に忘れず

 関東大震災七〇周年記念集会の記録

  関東大震災七〇周年記念行事実行委員会

  日本経済評論社

  1994. 1

 

keyword: 関東大震災, 朝鮮人虐殺, 亀戸事件

 

日本人種改造論

  海野幸

  明治四十三年

   http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/832934

 

keyword: 優生思想, 大日本帝国

自民党のメディア支配は、1960年代に完成していた

安倍政権はメディアを強権的に支配している!マスコミは圧力をはね返してきちんと報道してくれ!

 

と、思ってますか? 皆さん?

 

でも、自民党によるメディア統制は実はずっと昔の、安倍晋三が「プリンくれ」と言っていた1960年代の佐藤栄作政権の時にもう完成してたんですよ。

 

そのことを示す論文がこれ。

 

1960年代という「偏向報道」攻撃の時代 ─「マスコミ月評」に見る言論圧力 ─

根津 朝彦

 

(上)

http://www.ritsumei.ac.jp/file.jsp?id=37123

(下)

http://www.ritsumei.ac.jp/file.jsp?id=387206

 

これを読むと、自民党が60年安保闘争から教訓を得て、計画的組織的にメディアを手懐け、そして今があることが解る。

 

「メディアは権力に擦り寄る」と言うのは間違いだから。正しくは「メディアは自民党と一体化している」。だから民主党政権に対しては、メディアは狂ったように攻撃したのだ。

 

 

論文の(上)では、いわゆる「革新側」メディアの特に「朝日新聞・TBS・共同通信」に対して、政財界が「偏向報道」「偏向ご三家」とのレッテルを執拗に貼って攻撃する様が論じられる。

 

 

 

60年安保闘争を期に新聞は自主規制(7社共同宣言)を始める。その結果、米国の公民権デモは大々的に報道するのに、日本国内の米原潜寄港反対デモは報じないという現象が生じる。

 

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60年安保でいったん死んだ新聞各社は、ベトナム戦争報道で息を吹き返す。それに米国は神経を尖らし、朝日・毎日を名指しで「偏向」と批判する。ここから米国と政財界によるマスコミ攻撃は組織的になっていく。

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そしてライシャワー発言へとつながる。毎日新聞ベトナム報道をリードしていた名物記者が退社に追い込まれる。

 

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1966年の自民党黒い霧事件」では各社の社会部が意欲的な報道をしたが、政治部は汚職摘発に消極的で対立があった。自民党は社会部を「社会部紅衛兵」などと呼んだ。そしてメディア懐柔にはやっぱり赤坂。

 

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なかでもTBSへの締め付けをじわじわと強めていく……

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TBSはキャスター降板・番組終了・テレビ報道部解体を余儀なくされ、「報道のTBS」は瓦解する。残ったのは細川・小汀の「時事放談」だけになるという有様。

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TBS以外のTV局も標的になる。

 

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共同通信には「偏向報道」を修正するために自民党筋から福島慎太郎が新社長として送り込まれる。それ以降も共同は粘るが政治報道は萎縮していく。

 

福島慎太郎 - Wikipedia

 

そして組織への圧力と、自民党政権にべったりの政治部の姿。

 

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論文に挙げられた攻撃の手法 (「偏向」のレッテル貼り、キャスター降板や番組終了への誘導、メディア各社の組織や人事への圧力)はどれも、大叔父様が構築した仕組みを現政権がそのまま使っている。現政権が強権的に見えるのは、使い方に知恵がなくて乱暴だから。

 

「偏向ご三家」のうち朝日は、内部のごたごたがあっても経営体力があったので、政財界の標的は朝日に絞られていくが、朝日だって早くから自民党政権に擦り寄る姿勢を見せている。

 

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それでも財界は、朝日新聞社に嫌がらせをする。その効果は他社にも波及し、萎縮をもたらす。

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当時のキヤノン社長は創業者でもある初代の御手洗毅氏。

御手洗毅 - Wikipedia

 

経団連の元会長・現名誉会長の御手洗冨士夫氏は第6・第8代社長で、毅氏の甥。

御手洗冨士夫 - Wikipedia

 

 

論文(下)では「保守側」メディアを論じている。

  • 共同通信社へのカウンターとして最初から明確に自民党政権べったりだった時事通信社
  • 財界の後ろ盾で順調に成長するフジ・サンケイグループ
  • マスコミ経営陣と政財界要人との接近(懇談会、懇話会)
  • 総理府広報室が主導した日本広報センターの発足

 

「保守側」メディアは政財界とともにネットワークを形成し、政府広報を行う日本広報センターが成立する。政府広報の先頭を走ったのは読売新聞。そして「政府に近い」東京新聞が後に続く。

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この論文(上)(下)を読むと、日本の大手マスコミ・メディアが55年体制下の自民党政権と早くも60年代から一体化していたことが解る。だから各社の経営陣に一般からの批判が届くわけがない。だって自分の数代前の社長の時から、経営陣の仕事は政財界との懇話だったのだから。

 

大手マスコミ・メディアの経営陣と政治部はとうの昔から自民党と一体化していた。現政権に批判的な報道をする部署・人は組織の中で今にも消えそうな残り火でしかないと思うべきだろう。

「日本共産党ってなんですか?」動画の覚え書き

twitter共産党について質問を書き込んだら、こんな動画があるよ、と教えてもらいました。

「日本共産党ってなんですか?」日本共産党 組織局次長 細野大海さんにきく- What is JCP? (Japanese Communist Party) - YouTube

 

共産党員と共産党サポーターのお二人が、共産党の組織・運営の実像や考え方について、インタビューしたものです。共産党のことを知るのに十分な内容なのですが、動画は2時間を超え、どうしても一覧性や参照のし易さに欠けるので、動画内の時間を添えて、内容をざっくりと書き起こしました。目次としても役立つでしょう。

  

0:07:10

共産党の党員

共産党の党勢力は党大会(2、3年ごと)で発表される

  • 党員 約30万人 (2017年1月発表)
  • 国会議員 26人
  • 地方議員 2774人(最新の数)

共産党員の多くは職場・地域・学園の中で皆さんといっしょに活動して働いている、勉強しているごく普通の方です。党には議員もいるし職員(党の専従)もいますけれども、党を構成する圧倒的多数は、一般の党員の皆さんで、それが党の本体であり、主力です。」

「役割分担として、国会や地方議会で活動している人もいるが、党の一番大きな力は一人一人の党員だというのが、我々の考え方。」

 

0:09:40

一人一人の党員が国民と結びついているというのが一番の力。国会論争はある一瞬の姿で、一番共産党の事を知ってもらうには、人と人との繋がりや結びつきを通して、党員が真剣に真面目に取り組んでいる姿を見てもらっていることが党への支持の太い筋になっている。

宣伝もネットも議会活動も大事だが、一番基礎になるのは党員の結びつき、人の結びつき。

 

0:11:24

同時に、ネットやSNSを通じて結びつくことも大切にしようとしている。

 

 

0:12:30

赤旗について

赤旗の数(購読者数?)は113万人(党大会発表)。

党の機関誌なので共産党の見解を発表し広く読んでもらうという党の側の位置づけ、であるのと同時に、良い政治をつくるための共同の新聞という位置づけもしており、思想信条の違いを超えて、日本を良くするという立場の人に登場してもらうし、読者にもなってもらう。

党は読者と一緒に署名や選挙などを通じて、世の中を変えていくという位置づけ。

 

0:15:10

共産党に入る人の思いは一人一人違うが、どういう人に党が門戸を開いているかを表わしたのが、共産党規約の第2条。

日本共産党は、民主主義、独立、平和、国民生活の向上、そして、日本の進歩的未来のために努力しようとするすべての人びとにその門戸を開いている」

 

共産党に入党した人のふたつの実例と、インタビューイ本人の話の計みっつを紹介

 

 

0:29:10

共産党の組織

 

共産党を構成する人びと

 

・党員

18歳以上、綱領と規約を認めて党の組織に加わって活動する

 

・専従(党の職員)

党員や支部(約2万個所)の活動がしやすいようにする仕事

赤旗を発行する

中央委員会、都道府県会、地区委員会にいる

 

・議員

地方議会:地域の住民の命や暮らしを守る

国会議員:日本の主権者たる国民の意を体して日本の政治を方向づける

 

共産党の場合、「議員になりたいために党に入る」人は滅多にいないというか、そんな人はできるだけお断りする

「なりたい人より、したい人」→議員にしたい人を選ぶ

議員を立身出世、社会的地位として捉えなら共産党にはこないほうがよい

 

・後援会

選挙の時に共産党を応援する組織

党が持っている最大の組織 (350万人)

後援会の中にJCPサポータが新たに誕生

 

JCPサポータ

共産党からしたら、ネットやSNSを通じて国民と党の結びつき・繋がりを広げていくことに協力してもらう組織

 

0:36:10

党員になるための資格・決まり

広い意味の資格:共産党規約第2条(前出)が基本

共産党はどんな党か?誰に門戸を開いている組織か?」

 

狭い意味の資格:党規約第4条

「十八歳以上の日本国民で、党の綱領と規約を認める人は党員となることができる」

 

綱領……党が一番大事にしている、基本の方針 (JCP Manifest)

規約……党の運営、党員の権利や義務に関わる決まり

 

著しく反社会的な人は党に入れない(これも党規約にある)

例えば、闇社会の構成員とか

 

綱領・規約とも共産党ホームページの「党紹介」から見ることができる

Webマガジンもある:「党員になってみた」

JCPwebMAGAZINE-党員になってみた結果(前編)

JCPwebMAGAZINE-党員になってみた結果(後編)

 

共産党はイメージ戦略を変えてきている

 

0:40:55

党員の権利と義務 (規約第5条1項)

「党員の権利と義務 市民道徳と社会的道義をまもり、社会にたいする責任をはたすこと」

 

共産党が考える「市民道徳」……人間の命を大切にする、互いの人格や権利を守る、男女同権、他民族を蔑まない、侵略戦争に反対する、暴力を賛美しない、など。

これらはすべて、日本国憲法および改悪前の教育基本法から出てくる当然のモラルであり、それを社会に対しても責任を果たすし、党内の運営でも大事にしてその基盤になるようにしていく。

 

0:42:30

共産党は女性が多い?

もっともっと増やしたい。

 

0:44:00

ネットへの取り組み

ネット社会はリアルに影響をもたらす(弁護士への不当懲戒請求とか)

 

参議院選挙を目前にした2016年4月の中央委員会総会で、ネット問題を決めている。

スマホ利用率は全世代で6割を超え、20代では9割を超えている

・選挙活動の中でネット・SNSでの発信を強化して、従来の宣伝活動と相乗効果を発揮するように力を尽くそう

 

もっと党自身としてもネットSNSの問題を大事にしていきたい

 

党への要望「まっとうな意見に対して誹謗中傷するような人たちが残念ながらネットにはいるので、それは違うよ、正しい事実はこうだよときちんと言えるネット世論が必要なので、バシッと言ってほしい。ホントのことを知っている人は、特に若い人は少ない。共産党については共産党自身がちゃんと発信しなければいけない問題もある。」

 

党の姿をきちんと発信することは大切

 

 

0:48:30

共産党の組織構成

よその国の共産党についての報道では「ピラミッド型」の図がよく出されるので、日本共産党もそうなのかと思う人が少なくないが、実際の(日本)共産党の姿とは随分違う。

(共産党規約)

支部を基礎とし、基本的には支部―地区―都道府県―中央という形で組織される」

 

  • 支部が基礎
  • 地区委員会
  • 都道府県委員会
  • 中央委員会

ピラミッド型にしろ逆ピラミッド型にしろ、そういう形の組織は、身分の差とかがあって、上から下への権力機構がある。

 

日本共産党支部から中央委員会に至るどこにも身分の差や上下関係は基本的にない。

責任を持っている範囲や重さは、もちろん違うが、それは党内の役割分担であり、基本的にはお互いに対等で平等だという考え。

共産党の活動は支部が主役」

 

国民と一番直接に結びついているのが支部

国民の実際の暮らしの場である、職場、地域、学園で国民と直接結びついているのが支部支部は「下部組織」はなく「基礎組織」。ここが他の政党と一番違うところ。

他政党の例(自民党):支部は政治資金の受け取り団体になっている(資金管理団体)であり、国民と直接結びつくのは業界団体や企業で、そこに事実上委ね、選挙活動をしてもらう代わりに、政治を動かしていく。

他の政党では、それが労働組合だったり宗教団体だったりする。

 

党自身の組織で国民と直接結びつこうというのは、民主主義国では当り前の姿なのだが、それをまっとうに追求しているのは日本共産党

 

支部は約2万ある。

全国の公立小学校が2万2千なので、公立小学校校区の数に匹敵するくらいの支部がある。

「野党統一選挙戦の活動を支えてくれたのは支部の皆さん。隅々にある共産党の組織が力を発揮したことを実感した。」

 

地区委員会の役割(ふたつ)

  • 支部を指導し、援助する
  • 広い地域全体で共産党を代表して活動する

全国で315ある。衆議院小選挙区が289なので、それを上回る数がある

 

野党と市民の共闘が発展して、野党共同の政権(国民連合政府)を作ろうとするなら、各小選挙区で野党共同候補を立てて勝たなければならない。地区委員会はその時の主部隊になる。

 

都道府県委員会

地区委員会が複数集まり、47都道府県に対応してある。

2017年総選挙での新潟での経験:

「新潟は市民と野党の共同統一が進んでおり、県委員会にはメディアの人たちがどんどん入ってくるのは当り前として、他の野党の人がごく普通に入ってきて、県委員長と相談したりしていた。絶えず他の党の人が出入りして連絡を取り合い、県委員会は共産党を動かす仕事だけでなく、その調整役もした。」

「これからは、都道府県委員会も地区委員会も、他の野党や市民団体と協力しあって、絶えず自然に出入りしてもらえるような事務所にしたい。意見の違う方とも相談しあえるような場所に、共産党地区委員会がなるのが理想。」

「今行われている沖縄知事選挙でも、相手は官邸が乗り出し、企業丸抱えの金権選挙で、創価学会も動員してという選挙だが、そうではなくオール沖縄で市民と野党の共同で正面から堂々と勝つ選挙で、共産党としても頑張りたい。」

共産党支持ではない人が、自分の願いや思っていることのための行動を共産党の活動を使って実現していくという例が出てきており、気軽に政治に関われる局面や時代が生まれてきている。」

 

 

1:05:40

党の運営

民主集中制とは

疑問:「民主と言っているが実際は民主的ではなく、上から言われたことを黙々と従って実行するだけでは?」というイメージ

規約第3条

一、党の意思決定は民主的な議論をつくし、最終的には多数決で決める。(党の中には少数意見が当然ありうることを前提にしているので、独裁ではないし、自分を押し殺す必要もない)

二、決定されたことは、みんなでその実行にあたる。行動の統一は、国民に対する公党としての責任である。

三、すべての指導機関は、選挙によってつくられる。

四、党内に派閥・分派はつくらない。

五、意見がちがうことによって、組織的な排除をおこなってはならない。

 

運営の基本を一言で言うと

「みんなで決めて、みんなで実行にあたる」=「民主集中」制

 

 

1:09:35

党大会

共産党の民主的な党内運営のあり方が一番現れているが、党大会

 

党大会:2~3年に1回、開かれる

党大会で、綱領を基本にして、大きな方針を皆で決めて、その方針の実行の先頭に立つ全党の指導機関(=中央委員会)を選出して、中央委員会の中で役割分担を決めて、三役や幹部会員などを決める。

 

党大会が招集されると、全国2万の支部で一斉に支部総会が始まる。議案が発表され、その討議を支部で何回か行ない、最後は支部総会で決めて、地区党会議の代議員を選ぶ。次にその地区代議員が集まって地区党会議が開かれ、そこでも議論して都道府県党会議の代議員を選ぶ。そうやって議論を積み重ねて、最後に党大会を開く。党大会には全国から一千人くらいの代議員が集まる。そこで大会決定という党の最高方針を決めて、その方針の実行にあたる中央委員会をその場で選出するのが党大会の役割。

 

中央委員会の中でお互いの役割分担を決めて、委員長を始め党の指導部を選ぶ。

 

直近の第27回党大会では、党大会の議案について1500以上の意見が下から上がってきた。1500の意見・提案について討論をするような政党はたぶん他にはない。第一、党大会自体がわずか一日、数時間で終わってしまうのが他の党。共産党党大会は4~5日かかる。

 

党大会でも党大会代議員によって討論されて練り上げられて、そういう意見を全部まとめて、党大会代議員が採決する時には、採決するための案が配られる。

 

一番最初に中央委員会が全党に示した議案に対して、寄せられた1500あまりの意見をひとつひとつ精査して、できるだけ取り入れるようにして、取り入れた部分を明示した案を採決用の案とする。それを実行するのは党大会で選ばれた中央委員会。

「大変な作業だが、ひとりひとりの知恵が結集されていく大事な過程。」

 

決議案の第一章がその党大会の勘所

 

ちなみに、第26回党大会 (2014)の決議案第一章の結論部分:

「一点共闘」をあらゆる分野で発展させ、日本の政治を変える統一戦線をつくりあげるために奮闘する。

 

原発や沖縄などさまざまな問題でさまざまな分野で一点共闘は発展してきている。しかし、国政を変える統一戦線までにはまだ到達していない。保守の人たちと共闘したオール沖縄のように、辺野古基地反対・普天間基地返還の一点共闘が作られた。その経験を国政でも実現する可能性があるとして決めたのが2014年の党大会。

 

2015年:安保法制(戦争法)に対して大規模な市民運動が起こり、その中で「野党は共闘」の呼びかけが市民からたくさんあった。

 

そして国民からの反対がどれだけあっても安倍政権は未明に強行採決をした。その日 (2015年9月19日)にあった第26回党大会第4回中央委員会総会にて、

「『戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府』の実現をよびかけます」

との決議を中央委員会の名で発表した。

 

これまでの「国を変える統一戦線」は、他項目にわたる統一戦線を目指しており、今も目指しているのだが、そこまでの統一の合意の状況は、今はまだない。しかし戦争法廃止の一点での統一戦線の政府を作ることに踏み込もうということに、この時の中央委員会総会で決めた。

 

2、3年に一回の党大会でいろいろな角度から議論して練り上げていった方針があり、日本の情勢を見ていると矛盾がいっぱいあり、共闘の火種があちこちにあるのに、それをひとつにまとめることがなかなかできていない。2014年1月に決めた党の方針があるから、2015年9月19日にあの決議を決められた。それは独裁的に決めて提案できるものではなく、みんなで議論されていることで指導部のイニシアチヴが発揮できる。そういう関係。党大会での議論が活動のベース。

 

普通の人はそういう過程を知らないので、こうした方針が突然出てきたように思い、志位委員長が独断専決で決めたように考えてしまう。

 

党大会の決定を実現化する方法を一番考えているのが志位委員長であり、あのタイミングでの決議には中央委員会総会も心から得心して満場一致で決定し、その方向に踏み込んだ。党の歴史が大きく変わった瞬間だった。その背景には党大会の運営がある。

 

中央委員会総会を緊急に開くのにも、全国に散らばっている中央委員と准中央委員(討論に参加する評議権はあるが決議権は持たない)の200人以上の全員を呼ぶ。

 

直近の党大会で選出した中央委員:167人 准中央委員:50人

 

 

1:24:25

党の綱領

2003年6月23日に綱領改訂案を発表し、2004年1月13~17日(5日間)の党大会で決めた。案の発表から決定までの7か月間の全党討論を経た。第23回党大会議案として日本共産党綱領改訂案の資料を全党に配布した。そのほとんどが「公開討論」の資料。支部総会―地区党会議―都道府県党会議で議論を積み上げて党大会に議論を反映させる太い基本の筋と、それだけでは上がってこない個人の意見も取り入れるために「公開討論」を皆が読めるように冊子の形で出して、同時並行で行なう。このようにして、全党から議論を集約する。

これだけのことをやっている政党は他にない。

 

国民連合政府の基礎は2004年に決められた綱領にすでに盛り込まれている。

「統一戦線の発展の過程では、民主的改革の内容の主要点のすべてではないが、いくつかの目標では一致し、その一致点にもとづく統一戦線の条件が生まれるという場合も起こりうる。党は、その場合でも、その共同が国民の利益にこたえ、現在の反動支配を打破してゆくのに役立つかぎり、さしあたって一致できる目標の範囲で統一戦線を形成し、統一戦線の政府をつくるために力をつくす。」

日本共産党綱領|党紹介│日本共産党中央委員会

 

綱領を決めた時にははっきりと言葉にはならなかったことが、その後の事態の推移の中で「一点共闘の発展」など結実してきた。

 

 

1:30:30

政党の責任

政党は発言に責任があるが、他の政党では人によって言うことがばらばらでまったく違うことがよくある。共産党は議論と決定に時間と力を尽くしているから、基本的な方向性がブレない。

規約第5条の五

「(五) 党の諸決定を自覚的に実行する。決定に同意できない場合は、自分の意見を保留することができる。その場合も、その決定を実行する。党の決定に反する意見を、勝手に発表することはしない。」

日本共産党規約|党紹介│日本共産党中央委員会

 

  • 保留することができる = 意見を変える必要はないという意味
  • その場合も、その決定を実行する = 民主集中制と言われる所以
  • 党の決定に反する意見を、勝手に発表することはしない → ここだけ切り取って「意見を言う自由がない」との攻撃をされやすいが、民主的議論のプロセスを十分に経た上でのことなので、突然「この意見を採用しろ」と言われるわけではない。

「民主的議論をつくす努力は、真剣にやられていると思う。」

「お互いに意見は違うものだから、安易に敵対するのではなく、意見を戦わせて相互理解に高めていく。それが民主的な活力。」

 

1:34:00

共産党というのは、自分がよく納得し、心の中から得心がいかないと、力が出ない。共産党に入った瞬間から考えることを止めるのではなく、考えることが始まっていく。その考えることを通じて納得し、得心をし、議論する。その中で自分の疑問点などが解けていッたり、その考えは保留しようという思いもはっきり解るようになる。そういうことでさらに議論し納得する。 自体が動いていくことを通じて、あの時思ったことはこういうことなんだなと学ぶ。その連続。」

「党の中の民主的議論は本当に大事だし、それが貫かれている党だ。」

 

1:35:00

「規約第5条 党員の権利と義務の(六)」→他の党にはないような規約 

「党の会議で、党のいかなる組織や個人にたいしても批判することができる。また、中央委員会にいたるどの機関にたいしても、質問し、意見をのべ、回答をもとめることができる。」

 

これは「党員の権利」だが、党員でなくても共産党は 答えてくれる。

 

1:36:10

実際、中央委員会の仕事の中で、党員からの疑問や質問に答える仕事がかなりの割合である.。ある意味で当然で、意見や党活動の中での問題などは当然起こる。それらに対して意見が出たら、党として真剣に答える大事なタイミングなので、よく研究して、よく話を聞いて、組織の状況をよく知ることをやらないと、失敗する。どんな意見にも真剣に回答することを通じて、組織は蘇るし発展もする。 

「『民主的な活力に満ちた党を作る』と言うのは簡単だが、本気でそれをやろうとしているのが共産党の実際の姿。」

 

 

1:38:00

財政

質問:

政党助成金を貰っていないのに立派な建物なのは?

・お金持ち?

 

金持ちではない。

加入した党員に配るリーフレット「財政活動のしおり」に説明してある。

 

日本共産党の収支構成

  • 党費
  • 事業収入 (赤旗の収益)
  • 個人の寄付 (企業団体献金ではない)

 

党本部の収支

収入:

  • 機関紙活動と事業収入が87%を占める

支出:

  • 機関紙発行費が60.7%を占める
  • 地方交付金(党本部が地方の党組織に交付しているお金) 

 

党本部の財政規模だけ見ると自民党と変わらないくらいにお金持ちに見えるが、中身は赤旗を発行して維持するためのお金が大きく占める。(機関紙発行費は他の政党にはない)

 

党費 (党員が支部に対して出す)の配分

  • 支部 20%
  • 地区委員会 40%
  • 都道府県委員会 25%
  • 中央委員会 15%

 

支部~中央委員会はすべて、党費によって支えられている。党費が基本で赤旗の事業収入がそれに加わる。

 

政党が自分達の主張を機関紙で出して読んでもらって、その活動自体が党の財政になるという政党のまっとうな健全なあり方。

インタビューアの個人的意見「日本共産党ソ連からいっさいお金を貰わなかった。それができたのは、赤旗があったことが大きい。日本人が新聞を買って読んで党を支える。ソ連からお金を貰っていた他の国の共産党ソ連解体後にぼろぼろになった」

 

党の本部(建物)について

予算全体で85億かかっている。そのうちの45億円が、党本部の財政の中から長い時間をかけて貯めた積立金。残りの40億円が個人寄付や個人からの協力的な借入。党の活動と個人の寄付によってできた物。党本部への見学も多い。

 

1:46:50

個人それぞれの寄付や党費が基本的な原資。企業団体献金は個人の寄付とは性格がまったく異なる。企業献金は何らかの見返りを求めた寄付 (企業活動)。賄賂になりかねない。何の賄賂性もなく、日本の民主主義を護るために自由民主党に何千万も会社の金を注ぎ込むことになったら、会社の利益を損ずることになる。企業経営者は贈賄罪か背任罪になるので、怪しいお金にならざるを得ない。

 

共産党が国会で追求する時に、企業の実名を挙げることができる。これは驚かれると同時に羨ましがられる。共産党は寄付や広告を止められる心配はないので、企業に恐れを持っていない。労働者の権利を護る上で大事なことは企業の実名を挙げて追求することができる。それに対する政府の声は「企業の名を挙げての話は、ここではご遠慮させていただきます」などの笑えるもの。共産党がなんの恐れもなく言えるのは財政活動と結びついている。

 

1:50:14

政党助成金

赤ちゃんからお年寄りまで毎年ひとり250円で、全部合わせると1年間で320億円。例えば、生活保護が改悪されて切られた母子加算に必要なお金はわずか300億くらい。政党助成金を止めればこの制度を護れた。

 

・「お金は大事だから、共産党政党助成金を貰えばいいのに」に対して

国民から寄付を貰って支えてもらいながら国民と結びついて党活動するのが力(政党として当り前の力)。政党助成金は何にでも使え、貯めて翌年に回すこともでき、使途の詳細がよく判らないお金。そのような筋が通らないお金を貰うと、苦労しながら国民とともに財政を作って行く党の力が弱くなる。

 

・320億があったらできること:

小学校の35人学級を全学年で実現する:毎年30億~160億くらいで可能。

返済義務のない奨学金の拡充。

 

①こうした問題に対して、政党助成金を貰うと、国会でこうした議論をする感覚が明らかに鈍る。問題を知りながら見て見ぬふりをして、議員歳費とは別に自分の懐に入れたりして、政党が腐っていく。

 

政党助成金は選挙によって獲得された議席数に応じて配分されるので、与党に有利な配分になる。そもそも議員には議員報酬や政務活動費が与えられるのだから、二重配分だと言える。そこを放置して経費削減のために「議員数の削減」を言うのはおかしい。政党助成金を止めればいい。

 

政党助成金導入のきっかけは、金権腐敗政治への批判。その時に、企業団体献金はいずれは廃止することになったはず。ところが企業団体献金は続いている。「右手で企業団体献金、左手で政党助成金を貰うので、カンパ(個人献金)を貰う手がない」*1

 

 国民から寄付をもらって国民と結びついて政党が事業活動して繋がっていくことが大事であり、その過程で、共産党への批判も応援も含めた様々な意見を聞く。(政党助成金や企業団体献金を受け取ると)そういう活動をしなくなり、二重三重の意味で政党が腐っていく。

 

 政党助成金をもらうなら、企業団体献金を止めなければ政党助成法の立法趣旨に反するのでは? → 野党ももらっているから……(国会の追及が難しい)

 

 

1:57:40

人事

 

質問「他党は代表選挙をするのに共産党は代表選挙をしないから、独裁なのでは?」

答「共産党は、個人代表制ではない」

 

個人代表制は、一人の代表を選んで、政策決定や公認権もすべて与える制度。

共産党はそういうやり方をしていない。共産党を代表するのは「機関」。その意味で、共産党の指導機関は「中央委員会」であり、その中央委員会を2~3年に1回開く党大会で選ぶ選挙を律義に実行している。志位氏はその指導機関の代表者として「党首」扱いになっている。個人独裁・個人専決の政党ではない。

 

党大会が決めるのは「方針」と「人事」のふたつ。

現中央委員会が党大会を招集して議案を出し、それを全党的に議論して集約しながら、「方針」を皆で作る。その「方針」の実行の先頭に立つ中央委員会を党大会で選ぶ。そして中央委員会総会の中で役割分担を決める。その役割のひとつとして中央委員会三役(委員長・書記局長・副委員長)がある。

 

前回の中央委員会総会で選ばれた指導部が議案を作成・発表、討論を組織して、党大会までは中央委員会としての役割を果たす。党大会が始まると、党大会で選ばれた党大会幹部団があとの運営を引き継ぐ。

 

党大会で選ばれた中央委員会の初回の総会で、前の中央委員会指導部の中の常任幹部会が新三役を提案し、中央委員会総会で確認して三役が選ばれる。その三役が審議議論して新しい中央委員会の機構を中央委員会総会で提案して決められる。

 

その過程は、共産党既刊誌『前衛』の臨時増刊号などに記載している。

例:「前衛 2017年4月臨時増刊 日本共産党第27回大会特集 全記録 2017.1.15~18」

「したがって人事は秘密でもなんでもなく、きわめてオープン。」

「党大会は全日程を来賓にもメディアにも公開している。」

「メディアへの要望:真剣に議論している様子をもっと取材してほしい。」

 

2:05:55

雑談:

共産党のお堅いイメージをどうにかしたい

綱領・規約の解説を充実させたい → 解りやすく伝えることが民主主義の基本

 

2:18:00

共産党の信条「国民が主人公」(綱領にも書かれている)

共産党のHPに掲載されているパンフレット「激動の時代に歴史をつくる生き方を」に、共産党の歴史・綱領の基本などが説明されている。

https://www.jcp.or.jp/web_jcp/jcp_nyuto_hanshita.pdf

 

(了)

*1:

このジョークは市田忠義の街頭演説かららしい。大下英治日本共産党の深層」に記載がある。

 

【引用】 

 市田は言う。

民主党がある討論会で『本来なら個人献金が望ましいけど、日本には政党に個人が献金する仕組み、文化がない。個人献金の習慣が根付くまでは、必要悪として企業献金政党助成金でいこう』というのです。そこで、調べてみたところ民主党中央の平成一七年の個人献金は二万七〇〇〇円。共産党は中央・地方合わせると一〇一億円。まったく個人献金をする習慣がないのではなくて、民主党に魅力的な政策がないからなんです」

 そして、こんなふうに皮肉る。

自民党民主党も右手で企業献金をもらって、左手で政党助成金を受け取っていたら、個人献金をもらう手がもうない。共産党は両手があいています」

政党助成金企業献金づけになっているところに、個人が献金しようだなんて人間は思うはずがないのだ。

【引用終】

ケケケのヘ~ゾ~の歌

 

ケ、ケ、ケケケのケ~

朝で連勤4週目

楽しいな 楽しいな

社畜にゃ休日も~

自分の裁量じゃない

 

ケ、ケ、ケケケのケ~

みんなで働け

ケケケのケ

 

 

 

ケ、ケ、ケケケのケ~

昼も食べれず働くよ

楽しいな 楽しいな

一息つく暇も~

割増賃金もない

 

ケ、ケ、ケケケのケ~

みんなで働け

ケケケのケ

 

 

 

ケ、ケ、ケケケのケ~

夜はいつでも常勤内

楽しいな 楽しいな

高プロ死んでも~

過労死扱いじゃない

 

ケ、ケ、ケケケのケ~

みんなで働け

ケケケのケ

 

死ぬまで働け

ケケケのケ

 

HPVワクチン問題に関する斎藤環氏による意見 —— NHKマイあさラジオ 社会の見方・私の視点 (2018年1月9日放送)の書き起こし

NHK(以下 "N")「『子宮頸癌ワクチン論争で大切なこと』お話は筑波大学社会精神保健学教授で精神科医斎藤環さんです。斎藤さん、お早うございます」

 

斎藤環(以下 "環")「お早うございます」

 

N「子宮頸癌ワクチンと言いますと、その効果の高さについてよく耳にする一方で、このワクチンの接種によってさまざまな副反応を訴えている人もいて、国や製薬会社を相手取った裁判も全国でおこされています。で、この問題をどんな視点で考えればいいのか、今朝は伺っていきますけれども、斎藤さん、まずこの、子宮頸癌ワクチンというのはどういうものなのか改めてご説明いただけますか?」

 

環「はい。現在はですね、あの、呼称が変わりまして、HPVワクチンとなっていますけれども、これはもともとは子宮頸癌のほとんどがですね、HPVすなわちヒトパピローマウイルスの感染で起こると、まあいう事実がありまして――」

 

N「ヒトパピローマウイルスですね?」

 

環「はい、そうです。そのウイルスの感染をですね、ワクチンの接種で予防していこうと、いうものがですね、この子宮頸癌ワクチンの発想だったわけです。であのぉ、子宮頸癌を惹き起こすヒトパピローマウイルスにはいろんな種類があるんですけれども、特に、あの、リスクが高いタイプのウイルスが、2種類あるんですね。この2種類のワクチン(註:「ウイルス」の言い間違いと思われる)の感染を予防する2種ワクチンというのが日本で、ま、承認されてまして、これによって、えぇ、子宮頸癌にかかるリスクを6割から7割、減らせるという効果があると考えられています」

 

N「厚生労働省は以前はこの子宮頸癌のワクチンを積極的に打つよう、政策を行なってきましたねぇ?」

 

環「そうですね。あの、2010年度に公費に助成が始まりまして、まあ積極的に接種を奨めていたわけなんですけれども、2013年度からですね、あの、国は公費で接種を促す定期接種という位置づけになりました。えぇ、これによって対象となる年齢の女性の7割程度が、あ、接種すると、いうところまで行ったんですけれども」

 

N「その一方で、ワクチンを接種した人から、身体の不調を訴える声も揚がりました」

 

環「はい。えぇワクチン接種後に、手足の痛みとかですね、それから痙攣、あるいは不登校といったようなですね、さまざまな、あの、症状が出てくると、いわゆる副反応を訴える声が、あぁ、各地で揚がってきました。でぇ、マスコミはですね、あの、そういった方々の声を、繰り返し報道したと、いうこともありまして、厚生労働省はワクチンの接種を積極的に働きかけることを、ま、一時的に中止と、いう方針に切り替えました。で、被害を訴える人たちからは、国や製薬会社を相手取って、損害賠償を求める裁判が全国で起こされていますけれども、こうした経緯によってですね、ワクチンの接種率が、それまで70%あったものが1%まで落ち込んでいます」

 

N「斎藤さんは、この問題をどのような視点で見てらっしゃいますかぁ?」

 

環「はい。私は精神科医でもあるんですけれども、社会医学専門医でもあって、この立場から言いますと、やはりまぁ科学的にはっきり分かっているデータをですね、積み上げながら、その知識を広めながらですね、きちんと、政策を立てていくことが大事ではないかと、でぇ、受ける側でもですね、そう言った知識をしっかりと知ることが大事だと、に風に考えています。まぁ現在日本ではですね、子宮頸癌に罹る人が年間1万人を超えていると言われてまして、この癌で亡くなる方が、ま、3千人近いというデータがあります。このワクチンがもし有効であればですね、2種類で60%の癌削減の効果が期待できると、いう研究結果があります。ま、こういった視点からですね、ワクチンの有効性を訴えた功績で、医師でジャーナリストの村中璃子さんが、権威ある科学雑誌『ネイチャー』が主宰するジョン・マドックス賞というのを受賞しまして、ま、なかなかこの事は知られていないんですけれども、もう少しこうした事実も広がってほしいなと思っています」

 

N「一方の副反応についてはどこまで解っているんでしょうか?」

 

環「はい。厚生労働省が訴えを受けてですね、副反応を受けた方の、ま、追跡調査を行なっているんですけれども、えぇ、2014年11月の時点での調査結果としては、ワクチンを接種してきた338万人のうちですね、副反応を訴えたのは2584人、まだ回復してない方が186人、という結果でした。ま、これはワクチンを接種した人の0.005%、という割合に当たります。さらには厚生労働省の別の研究班の調査結果では、接種を受けてない人にも、同様の反応がある事が分かっています。そういった反応がワクチン接種によるかどうかは、現時点では科学的に判断できないと、つまりまぁあの、受けた人と受けてない人に生じた反応の割合に、いわゆる有意な差がなかったと、統計的な差がなかったと、いう事が分かっていますので、そこにワクチン接種の因果関係があるかどうかは、まだ証明できていないという段階です」

 

N「こうした事を踏まえて斎藤さんは子宮頸癌ワクチンについてどんな考えをお持ちですかぁ?」

 

環「はい。まあ一応私の専門の一つである社会医学的な判断から考えますと、まずどんなワクチンでも、わずかながら副反応を示すという事実があります。ただ、こういった問題について、ゼロリスク、つまり全く問題が起こらない、というのを追求し過ぎるのは、あまり合理的とは言えません。疫学ではですね、このような場合、まぁ疫学というのは社会医学の事なんですけれども、ま、リスクとベネフィットの比率で考えます」

 

N「危険性と、便益・利益の比較ということですね?」

 

環「そうですね。受けることの危険性と、受けた結果としてどんないいことが起こるかという事の比較を統計的に考えるわけです。で、HPVワクチンが子宮頸癌を予防できるという直接のエビデンスはまだないんですね。これはなぜかというと、子宮頸癌が発症するまでに非常に長期間の観察を要する疾患なんです。でー、ワクチン接種(註:HPVワクチン接種の事)はまだ歴史が浅いので、現段階では、まぁ十分なデータが得られていないという状況があります。ただし、HPVウイルスが子宮頸癌の発症をもたらすという事、それからHPVワクチンでHPVウイルスの感染を予防できる事、この二つに関しては十分なエビデンスがあるんですね。で、これで疫学的な因果関係で考えるとしたら、HPVワクチンの接種で子宮頸癌の予防ができると考える事には十分な根拠があるという事になります」

 

N「一方で、接種をして副反応が起こったと訴えている人がいるのも事実です。こうした人についてはどう考えるべきですかぁ?」

 

環「はい。副反応が起こった、という事に関してはですね、その因果関係にまだ科学的な根拠が証明されていないから、その反応は無視していいという事にはならないわけです。副反応を訴えている人々に対しては、その訴えを否定したりとかですね、訴えている人を傷つけたり屈辱を与えるべきではないというのが私の考えです。つまり、ワクチンの普及に伴うなんらかの被害者、ということには間違いないと考えられますので、なんらかのケアは必要であると。ケアの中には、端的に対症療法的にですね、その苦痛を軽減するような治療も含まれますしぃ、それから一部、いわゆる身体表現障害というのがあると言われていますので、この場合はメンタルなサポート、すなわちカウンセリングとか認知行動療法とか、ま、そういった治療でですね、改善する可能性も大いにあると考えられますので、包括的な取り組みとしてのケア、がなされることが望ましいと思っています」

 

N「そういたケアを進めていく中で、原因がはっきりしてくるという事もあるでしょうねぇ」

 

環「ま、そうですね。例えば、ま、カウンセリングとかですね、原因というのは、どちらかというと心理的なもの、で考えるほうがいいということもありえるでしょうし、すべてが、その、副反応による、まぁ自己免疫性疾患とかですね、そういったものと結びつけられる必要は必ずしもないと、いうことも見えてくると思います」

 

N「逆に、明らかなエビデンス、科学的な根拠として、これはやはり注射によるものだという事も見えてくる(環「はい」))可能性もありますね」

環「そうですね。ワクチンの成分以外にも、注射という行為自体に対する反応としても副反応もあり得ますし、先程申しました通り、すべてのワクチンはごく僅かながらも、何らかの副反応を伴うという事も知られていますので、ま、そう言ったものに対しては、まぁ国家レベルできちんと補償すると、いう事も並行して考えていく必要があると思います」

 

N「あの、こうした議論というのは、いわゆる子宮頸癌の問題に留まらずに、いろいろな場面で見られる気がしますねぇ」

 

環「そうですね。あの、私がこの事から連想したのは、福島のですね、原発事故以降に起こってきたさまざまな議論ですね、そこにおけるリスクコミュニケーションが、非常に難しいと、という事を連想しました。あちらの場合もですね、やっぱりその、僅かな放射線でも、必ず被害が起こるはずであるという議論と、それに対してはまだ科学的な根拠がない、という議論の対立が未だに続いている状況がありまして、事故の被害というのが、移住によるメンタルな、あるいは社会的なストレスとかですね、そういったものが含まれてくる訳なんですけれども、ま、そういった複雑性を、放射線健康被害という単純に因果関係だけで考えるとすると、そういった、まぁ、あぁ、終わりのない議論に、え、突入してしまうという問題、これが今回のワクチンの問題と非常によく似ていると思います」

 

N「んー。あのぉー、科学技術がどんどん進んでいく中で、科学的な根拠が明確にはならない事象も出てきてしまうと。これに対しては本当に丁寧な対応が必要だということですねぇ」

 

環「はい、仰る通りだと思います。ま、さまざまなシステムがですね、並行的に複合的に作動している、そういう社会ですので、端的な原因と結果という因果関係だけでは説明ができないリスクがこれからも、いろいろと起こってくると思いますので、そういった場面で要求されるのはやはり、コミュニケーションであり対話である、というのが私の現在の考えです」

 

N「ありがとうございました」

 

環「ありがとうございました」